HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
彼女の居る場所は川からそう遠くはなかった。
「大丈夫か?」
雪姫ちゃんが右膝を擦りむいて泣いていた。
「たっちゃん!?」
「怪我したのか…痛むか?」
「うん…あるけない」
「仕方ないな…」
俺は泣いていた雪姫ちゃんを抱っこした。
「さあっー皆の所に帰るぞ…」
「たっちゃん・・・うしろ・・・」
「後ろ??」
振り向くとそこには野生のクマが歩いていた。
足を怪我していた雪姫ちゃんの血の匂いに誘われたのか、クマが俺たちを見ていた。
クマに遭遇したら、死んだふりするのが一番いいと訊いていたが…
死んだふりしている余裕はなかった。
俺は雪姫ちゃんを抱っこして慌てて走り出した。
クマも腹を空かせているのか…猛突進で追いかけて来た。
俺は太い木の根元に空洞を見つけて、慌てて雪姫ちゃんを下ろして押し込んだ。
「…雪姫ちゃん…俺がクマを追い払うから…君は此処で隠れているんだ!」
「たっちゃん!?」
クマを追い払うと言っても、武器がない。
クマが俺たちを見つけてこっちに向かって来た。
クマが最近、出没して畑を荒らすと訊いていたが、まさか自分がクマに遭遇するなんて想像しなかった。
俺は武器代わりに落ちていた木の枝を拾い、クマを雪姫ちゃんから引き離そうと再び走り出した。
「!!?」
俺の走るスピードが落ちたのか、クマの走りが速くなったのかみるみる追いつかれ、鋭い爪が俺の背中を引き裂いた。
俺は本気で死を覚悟した。
「大丈夫か?」
雪姫ちゃんが右膝を擦りむいて泣いていた。
「たっちゃん!?」
「怪我したのか…痛むか?」
「うん…あるけない」
「仕方ないな…」
俺は泣いていた雪姫ちゃんを抱っこした。
「さあっー皆の所に帰るぞ…」
「たっちゃん・・・うしろ・・・」
「後ろ??」
振り向くとそこには野生のクマが歩いていた。
足を怪我していた雪姫ちゃんの血の匂いに誘われたのか、クマが俺たちを見ていた。
クマに遭遇したら、死んだふりするのが一番いいと訊いていたが…
死んだふりしている余裕はなかった。
俺は雪姫ちゃんを抱っこして慌てて走り出した。
クマも腹を空かせているのか…猛突進で追いかけて来た。
俺は太い木の根元に空洞を見つけて、慌てて雪姫ちゃんを下ろして押し込んだ。
「…雪姫ちゃん…俺がクマを追い払うから…君は此処で隠れているんだ!」
「たっちゃん!?」
クマを追い払うと言っても、武器がない。
クマが俺たちを見つけてこっちに向かって来た。
クマが最近、出没して畑を荒らすと訊いていたが、まさか自分がクマに遭遇するなんて想像しなかった。
俺は武器代わりに落ちていた木の枝を拾い、クマを雪姫ちゃんから引き離そうと再び走り出した。
「!!?」
俺の走るスピードが落ちたのか、クマの走りが速くなったのかみるみる追いつかれ、鋭い爪が俺の背中を引き裂いた。
俺は本気で死を覚悟した。