HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
棗は俺が自らヘッドハンティングした男。
まさか、俺の妹の奈有と結婚して義弟になるなんて思いもよらなかった。

会議を終え、棗と少しだけ雑談をした。

「へぇー…彼女はコーガのファンか…」
「まぁな」

「コーガは達生さんのお友達だし…彼女が会いたいと言えば…会えるでしょ?」

「あぁ~だから…これから…後でコーガの携帯にメールするつもりだ」

「雪姫さんの為に健気ね…お兄ちゃん」

「社内ではお兄ちゃんと呼ぶなっ」

「いいじゃない…今は私たち三人しかいないわけだし…ねぇー棗」

奈有は棗に相槌を求めた。

「そうですよ…」

「お父さんも雪姫さんの事気に入っていたわね…自分と同じ『しらゆき』だって…」


「・・・『しらゆき』?」
棗が首を傾げた。
「雪姫さんって…白石家にはいれば…白石雪姫でしょ?」

「あ…そうだね…」
「でも…雪姫さんはお父さんと同じ『しらゆき』だけど…姫までつくのよ」

「そっか…白雪姫か・・・」



「お兄ちゃん、雪姫さんを泣かしたら、お父さんがダメっていないわよ」

「・・・俺の事よりも奈有お前…復帰早々フルスロットルで動いているが…体、大丈夫か?」

「大丈夫よ…」
奈有は半年前に第一子を出産。
つい二週間前、仕事に復帰したばかり。
「俺も積極的に家事に育児やってますから…心配はご無用です。達生さん」
「そっか…」

「今の間に秘書の逢沢さん任せにしてないで…お兄ちゃんも家事全般こなせるようにしないと…」

「・・・結婚すれば…雪姫がやってくれるから・・・いいんだ」

「ダメよ!!今は男性も家事出来ないと…離婚されちゃうわよ」



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