HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~

~達生side~

俺がバスルームから出ると雪姫はソファで寝ていた。

ーーー俺が男して初めて護った女。

雪姫にはその当時の記憶はないけど。

俺は今でも鮮明に憶えていた。

俺も彼女と同じでクマが嫌いだ。

記憶はないが、あの時の恐怖心が彼女の体の中に残っているんだな。

寝ている彼女のソファに腰を下ろして、そっと彼女の黒髪に触れた。

柔らかな黒髪。
白い頬。

俺は髪に触れても起きる気配がなかった。

まるで今の彼女は継母の毒リンゴを齧って眠ってしまった白雪姫のようだった。

白雪姫が待つのは王子様のキス。

「コーガ・・・」

「#$&!?」

雪姫のヤツ、コーガの夢見てるのか?

俺は深いため息を吐いた。

だから、嫌なんだ…コーガに会わせると大概の女はコーガに目移りしてしまうから…

俺もコーガの推しだけど、雪姫には俺を見て欲しいな。

俺は彼女を抱き上げて、奥のベットルームに運んだ。

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