HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
私は会長を社長室の応接ソファに案内して、コーヒーを淹れた。
「白雪姫の淹れたコーヒーは格別に美味いな」
会長は満面の笑みを浮かべて私のコーヒーを啜った。
達生さんがドアを開けて戻って来た。
「父さん!?体調不良だと言って…会議さぼって、何してんだよ!?」
「達生か…お帰り」
会長は怒る達生さんを軽くあしらい、コーヒーを飲み干した。
「白雪姫の淹れたコーヒーを飲みながら、彼女と話をしていた」
「ここは喫茶店じゃないぞ。雪姫君も今度来たら、追い返すんだ!いいなっ」
「嫁の立場である私にはそのような強い権限はありませんよ」
「父さん…彼女にだって仕事があるんだ。さっさと会長室に帰ってくれ」
「はいはい、わかったよ。お前も彼女と二人になりたいんだな。仲の良い事はいい事だ。じゃまた来るよ。白雪姫」
「二度と来るなっ!!」
達生さんが強引に会長を追い出した。