HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
お互いに役所の人の態度に不満を持っていたが、区役所の外に出た。

「なんだか…結婚した実感ないな…」

「はい」

「やっぱ…紙切れ一枚では結婚した気にはなれないか…挙式披露宴を執り行う必要があるな」

「挙式披露宴するんですか?」

「仕事が落ち着いたらな…それよりも母さん、女性が結婚すると色々と面倒だと言っていたぞ」

「それは多分、銀行や運転免許証、年金の改姓手続きの事だと思います」

「やらなくていいのか?この際だ…今日全部やっておいた方がいいんじゃないか?」

「達生さんは昼から仕事でしょ?」

「棗に任せておけばいい…」

達生さんはそう言って副社長の義弟・白石棗さんに電話を掛けた。

「棗か…半休の予定で休みを取ったが…雪姫の改姓届に付き合うから…一日休みを取る…父さんの方にはお前から婚姻届ちゃんと提出したと伝えてくれ」

「・・・」

「これでいい」

「お義父さんに直接言わなくていいんですか?」

「言ったら…また話が長くなる…時間の無駄だ。一旦部屋に戻るぞ」

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