この恋の結末は
あぁ、だめだ、泣く。
優馬との思い出がフラッシュバックして一緒に過ごしたあの日々はすべて偽りだったのだと感じる。
「ごめん、経理部よらないといけないから先に行ってて。」
そう、雅ちゃんに声をかけ、早々に立ち去りトイレに駆けこんだ瞬間あふれだす涙。
個室で涙を拭っていると話し声が聞こえた。
「そいえば聞いた??」
「え、なになに??」
「やっぱり、”王子”とあの”お姫様”付き合ってるらしいよ」
「え、本当に?」
「この間、同期会で姫が私のなので誰も手を出さないで!って言ってたらしい。」
「マジか、それはやばいね。」
「まぁ、確かにあの二人は”王子とお姫様”って感じだもんね」
「まって、時間やっば、早くいかないと」
あぁ、聞いてしまった。王子と姫が付き合っていたという事実よりも周りが”お似合い”だという声を聴くのがつらかった。私じゃ不釣り合いだということを突き付けられるから。所詮、不釣り合いで、王子の退屈凌ぎでしかなかったのかな。王子の気を少しでも引けるように料理もファッションもスタイルだって意識して変えてきた。飽きられないように。ただ、無条件でそばにおいてくれるように。
でも、ダメだった。そんなの所詮偽物でしかなくて、作り物は天然に勝てない。
あぁだめだ、、、自分のメンタルが落ちえ行くのがわかる。
私たちの関係は何だったんだろう。
わかっていた、気づいていた。ただ気づかないふりをして、自分の都合のいいように勘違いしていた。
あぁ、だめだ。
今日は早く帰ろう。