この恋の結末は
”わっかた。待ってる。”
浮かれた心を察しられないよう平常心で返信する。

雅ちゃんと駅で別れてから私はこれからのことで頭がいっぱいになる。
おととい掃除機をかけて、部屋の掃除をしたからそんなに汚くないはず。

夕ご飯は彼の好きな肉じゃがにしよう。帰りにスーパーに寄って、部屋に着く。

急いで夕食を作り彼の帰りを待つ。


“ピンポーン”

「おかえり。お疲れ様。」
「ただいま。まなもお疲れ様。」

「お!いい匂いがする!もしかして肉じゃが??」

「うん。じゃがいもが安かったから。」
「早く食べたい!」
「はいはい。わかったから、手洗ってきて。」

2人分の肉じゃがを装い机に並べる。
一緒にご飯食べるの久しぶりだな。時間が止まればいいのに、、

「最近企画忙しそうだな。」
「そうだね、でも楽しいよ?忙しいのは優くんじゃん」
「なに?拗ねてるの?」
「拗ねてません!!」
「そんなに否定しなくていいじゃん。」


私の目の前にいる優君は、”営業部の王子” 八神優馬だ。
彼は私の彼氏で。私は彼の彼女。な、はず。
最近お互い忙して返信も1週間来ないのが普通になりつつある。休日デートはもう3ヶ月近くできてない。
それでも、こうしてたまに家に来てくれるから喜んで彼の大好物を作ってしまう。



本当は、もっと一緒にいたいしデートに行きたい。毎日でも一緒にご飯を食べてくだ来ことで笑いあいたい。
だけどそんなこと言えない、優君が困る顔なんて見たくない。お互い、今が一番大変で頑張りどきだってわかってるから。
だから、せめて会えたこの時だけは彼の大好物を作って幸せそうな笑顔を独り占めしたい。
そう思うのは私のわがままなのかな。優君が私を選んでくれたこと自体が奇跡みたいなことだからこれ以上は望んじゃいけない。私は大丈夫。
それに噂の件もちゃんと本人の口から真相を聞きたい。けどそれができないのは今この空気を壊したくないという私のわがままなのかな、、
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