最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 アルヴィンの方は、セシリアの希望で守護騎士の服装ではなく、シンプルな白いシャツに黒いズボンだが、その服装がまた美形をいっそう引き立てていた。何度見ても、思わず見惚れてしまうのだから、相当なものだ。
 ふたりの侍女に見送られて、セシリアはアルヴィンと部屋を出た。
「どこに行く?」
「少し町を歩いて、それからパスタが食べたいわ。おいしい店があるらしいの」
「わかった」
 寮の入り口にいる警備兵に外出届けを提出すると、馬車は呼ばずに歩いて大通りに向かう。
 長身のアルヴィンは、歩調をセシリアに合わせてゆっくりと歩いてくれた。守るように、歩きやすいように導かれ、何だかくすぐったいような気持ちになって、くすくすと笑う。
「どうした?」
「何だかデートみたいだと思って」
「デートならもっと、それらしくしなければ」
 ふいに肩を抱き寄せられて、どきりとする。
(いつのまにか、こんなに腕が逞しくなって。昔は、わたしより細かったのに)
 アルヴィンも十五歳になって、確実に少年から男性の身体に変わってきている。顔立ちも少女のように可憐だったのに、美しさはそのままで、さらに精悍さが加わった。
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