最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 孤独だったふたりは、こうしてそれぞれの傍に自分の居場所を見つけた。
 恋人同士のふりをすることなんて忘れて、仲の良い家族のように寄り添って歩いて行く。その姿は、幸せそうな家族の群れに違和感なく溶け込んでいた。

 目当ての店は、とても繁盛していた。
 外にまで行列が並んでいるのを見て、どうするかとアルヴィンが尋ねる。
「並ぶわ。楽しみにしていたもの」
 公爵令嬢なら、食事をするために列に並ぶなんて考えられないことだろう。でも前世の感覚で考えれば、並ぶくらい何ともない。むしろ、間違いなくおいしい店だと期待値が上がる。
 ふたりは列の最後尾に並び、順番を待つことにした。
 人気店らしく、並んでいるほとんどが若い女性かカップルだ。
 当然のようにアルヴィンに視線が集中しているが、慣れているのか、彼はまったく気にする様子がない。
 むしろアルヴィンの目には、セシリアしか映っていない。目が合った瞬間、神々しいほどの笑みを向けられて、周囲から悲鳴が上がる。どこかに被弾してしまったようだ。
 ご愁傷様です、と思いながら、だんだんと近づいて来た店の中をのぞく。
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