最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 授業やクラスメートのことだけではないだろうと言われて、困ったように笑う。
「アルヴィンには、お見通し?」
「当然だ。セシリアのことはよくわかっているつもりだ。不安があるなら言ってほしい」
「……どうやって伝えたらいいのか、わからないの」
 自分が転生者で、ここはゲームの世界みたいなんですとは、なかなか言えるものではない。
「すべてを話す必要はない。セシリアの不安を消すにはどうしたらいいか、それを教えてくれ」
 困った様子のセシリアを見て、アルヴィンはそう言ってくれた。
「わたしの不安を……」
 そう言われてみて、よく考えてみる。
 不安なのは、ヒロインによって破滅させられること。
 自分の破滅に、アルヴィンを巻き込んでしまうかもしれないことだ。
 彼女にはできるだけ関わり合いになりたくないと思うが、同じクラスなら何かと接する機会もあるだろう。
 それに、ヒロインはアルヴィンに興味を持っていた。
 でもアルヴィンはこのゲームの攻略対象ではない。ヒロインのものではないのだ。だから、彼には関わらないでほしい。
「アルヴィンがずっと、わたしの傍にいてくれること、かな?」
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