最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 セシリアを庇ったアルヴィンは、鋭い視線を王女に向ける。酔っ払いの暴漢さえ退けた視線に、王女はびくりと身体を震わせた。
「不敬だぞ! 守護騎士ふぜいが!」
 そう怒鳴ったのは、王太子が引き連れてきた男性のうちの、ひとり。
(ああ、見たことがある……。王太子の側近の、騎士団長の息子と、もうひとりは魔導師団長の息子だわ……)
 どちらもヒロインの攻略対象だ。
 ついでに名前やら生い立ちやら、色々なことを思い出した。
 王太子の名は、アレク。
 金髪碧眼の王子様で、魔力もそれなりに高い。
 乙女ゲームのメインヒーローとして、誰からでも好かれるように、いかにもな外見と穏やかな性格をしていたように思う。
 常に王太子として皆の見本になれるように努力を続けていて、それに気が付いたヒロインが傍で支えてあげるというストーリーだった。
(完璧な王子様が、自分にだけ本音や弱さを見せるってイベントが多かった気がする)
 彼は悪役令嬢のセシリアと婚約していたから、国のためと思う気持ちと、ヒロインを愛する気持ちが葛藤して苦しんでいるという、設定だった。
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