最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
(そうだよね。セシリアが何を言っても耐えていた、あの優しい王女殿下だもの)
 気のせいだったと思い直して、ふたりを見送る。
 だが、アレクの側近であるダニーとフィンはすぐに部屋を出ようとせずに、なぜかアルヴィンを睨んでいる。
「王都に結界を張ることがどんなに大変なことなのか、わかって言っているのか? 魔導師団長である僕の父でさえ、一割しか結界を作り出すことができないのに」
「まさか、言い逃れのために口にしたのか? だとしたら、許さないぞ」
 どうして彼らは、こんなにアルヴィンを敵視しているのだろう。
 王都に結界を張るのは、たしかに大変なことだ。ゲームのヒロインだって死にかけたのだ。
 でもアルヴィンは、できないことを言い逃れのために口にしたりしない。彼がそう言うからには、必ずできる。
(それなのに……)
 思わず溜息をついてしまったセシリアに、彼らの視線が向けられる。
「そうだ。君が自分の意志で、アレク殿下と婚約すればすべて解決する」
 いきなり、そんなことを言い出した。
 おそらく、すべてはアレクのため。
 王に課せられた使命を果たせずに帰らなくてはならない彼のためだ。
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