最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 何が起こるかわからない。
 今日のところは休息して、明日に控えたほうがいい。
 それからセシリアは別室に控えていた侍女を呼び、着替えを手伝ってもらった。アルヴィンも、自分の部屋に戻ったようだ。
「ふぅ……」
 綺麗に巻いていた髪も解いて、広い寝台の上に横たわる。色々とあったせいで、思っていたよりも疲れが溜まっていたらしい。
 ゆっくりと意識が途切れていく。
 セシリアによって、救われた。
 アルヴィンがそう言ってくれたことを思い出すと、切ないほどの幸福感が胸を満たす。
 大切な人を守れたということは、とてもしあわせなことだ。
「アルヴィン」
 小さく名前を呼びながら、セシリアは眠りに落ちていた。

◇◇◇

 守護騎士として宛がわれた部屋に戻ったアルヴィンは、重厚なマントを脱ぎ捨て、煌びやかな装飾の上着も脱いで、白いシャツ姿になる。
 ほとんどは主であるセシリアの傍にいるため、ここは休むだけの部屋であり、物もほとんど置かれていない。
 アルヴィンはそのまま寝台の上に座り、シャツのボタンを外しかけて――。急に面倒になり、仰向けに転がった。
(とりあえず、最初の危機は脱したか)
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