最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 深く、溜息をつく。
 セシリアの守護騎士を辞めることもなかったし、何よりもセシリアが王太子と婚約することも避けられた。
 アルヴィンは彼女に予知夢の話を聞いてから、王太子との婚約だけは、絶対に避けなければならないと決意していた。
 こちらの申し出に対する国王の返事を聞いていないが、恐らく断ることはないだろう。いまだにブランジーニ公爵に、国王から王都に結界を張れという命令が下るくらいだ。
 それだけ切望しているだから、国王がこちらの提案を断ることはないという確信があった。
 達成感が、少しずつ疲労に変わっていく。
 目を閉じると、先ほどまでこの腕に抱きしめていたセシリアの顔が浮かんだ。
 フィンという男に激高した姿。
 自分の過去を聞き、助けたかったと涙を流してくれた姿。
 彼女が浮かべる感情のひとつひとつに、こちらに向けられた深い愛情を感じることができた。
 まだ、恋ではないのだろう。
 それでも、愛してくれている。
 大切に思ってくれている。
 そう思うと、心が満たされていく。
 セシリアに愛を告げるのは、簡単だ。
 溢れそうになっているこの想いを、ただ愚直に告げればいい。
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