最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 侍女に事情を簡単に説明して着替えをすませ、応接間のソファーに腰を下ろして背伸びをする。
(今日の襲撃も、イベントだったのかなぁ……)
 襲われたにも関わらず、のんきにそんなことを考えていられるのは、やはりアルヴィンの存在が大きい。彼は剣も使うが、大抵の敵なら先ほどのように接近さえ許さずに倒せるのだ。
(でも、魔族が相手なら? 魔族は人間よりも簡単に魔法を使うし、魔力もかなり強いわ)
 アルヴィンは、魔族と戦っても無事でいられるだろうか。
 そう考えたとき、セシリアが先ほどから感じている不安は、彼の身を案じていたからだと気が付いた。
 ゲームの内容はよく覚えている。
 悪役令嬢セシリアの罪をすべて暴き、彼女を断罪して修道院に送るまでが、ゲームの第一部だ。だからセシリアが悪役令嬢にならなければ、第二部は始まらないと思っていた。
 でも現実は、まだ第一部さえ始まったばかりだというのに、もうあの恐ろしい魔族の影を感じる。
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