最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 父にしてみれば、自分が許可した者しか母と接触できないこの魔法は、とても魅力的だったのだろう。
 もしかしたら、一番うまく父を使っているのは、国王陛下ではなく、このアルヴィンなのかもしれない。
「俺は、セシリアを閉じ込めたいわけではない。ただ、守りたいだけだ」
「うん。わかっているから大丈夫よ。アルヴィンはお父様と違うわ」
 アルヴィンが一番大切にしてくれるのは、セシリアの意志だ。
 セシリアが自分の意志で決めたことなら、多少危険が伴っていても、彼は黙って傍にいて守ってくれる。
 信頼していると伝えると、アルヴィンは目を細めて頷いた。
「それと、もうひとつ。結界の許可と引き換えに、王家からブランジーニ公爵家に要望があった」
「要望?」
「ああ。王都に結界を張る件についてだ。向こうとしては、一連を儀式として行いたいようだ。ブランジーニ公爵家の、王家に対する忠誠を示す良い機会だと思ったようだな」
「そうね。お父様はあまり、国の行事に参加することはないから」
 国一番の魔力を持つ父の忠誠が王家にないということは、王都の結界と同じくらい、国王を悩ませてきたと思われる。
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