最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 だが今回、ブランジーニ公爵令嬢であるセシリアの守護騎士が、王都に結界を張ることになった。国王はそれを儀式にすることで、ブランジーニ公爵家の忠誠は王家にあると示したいのだろう。
「その儀式には、お父様も?」
「いや、公爵は体調不良のため、参加しないとのことだ」
「……そう。いつもと同じね」
 体調など崩したこともないのに、父は公式な行事もすべて、体調不良で欠席をしている。代役に兄を立てるのならまだよかったのかもしれないが、今まで、それさえもしたことがない。
 原因は、父がまだ兄を正式な後継者として指名していないことである。
 だからこそブランジーニ公爵は、子爵家の妻が産んだ長子を後継者に指名するつもりはないのではないか、と言われ続けている。
 ゲームの世界では、そのことが兄を追い詰めていた。
「じゃあアルヴィンがひとりで行くことになるの?」
 もちろんセシリアも、会場でしっかりと見届けるつもりだ。
 でも、ブランジーニ公爵の名をアルヴィンひとりに背負わせるのは、さすがに申し訳ない気持ちになる。
 心配そうに言ったセシリアに、彼は複雑そうに答えた。
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