最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 もっとも、衰退しているのは王家だけではなく、貴族たちも同じだ。強い魔力を持つ者が、極端に少なくなっているという現状があった。
 この先、魔力を持つ人間は今以上に少なくなっていく。
 きっと厳しい時代に即位するだろう王太子には、もう少し覚悟が必要だ。
 それなのに、適切な助言をしてくれる人間がいなかったことは、彼にとって一番の不幸かもしれない。
 セシリアはアルヴィンとともに、儀式のリハーサルに参加していた。
 儀式は王城で執り行われる。
 国王陛下の代理として、王太子のアレクが壇上に立つ。
 セシリアはその彼に忠誠を示し、守護騎士であるアルヴィンに結界を張ることを命じる。
 儀式としては簡単なものだ。
 王都の結界に使う魔石は、台座に恭しく飾られていた。この魔石を使うことによって、アルヴィンは多大な魔力を使うことなく、結界を張ることができる。
 何度も練習と打ち合わせを繰り返し、とうとう儀式の当日になった。
 セシリアはこの日のために仕立てたドレスを着て、アルヴィンとともに王城に向かう。
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