最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「わたしが傍にいるから、絶対に頼ってね。約束よ」
「ああ」
 アルヴィンが頷くと、控え室の扉を叩く音がした。
「そろそろ時間だな。行くか」
「ええ」
 いよいよ儀式だ。
 セシリアは緊張を抑えるように大きく息を吐くと、差し伸べられたアルヴィンの手を握る。そして、ゆっくりとした足取りで儀式が行われる会場に向かった。
 会場では高位の貴族たちが通路の左右に並び、じっとこちらの様子を伺っていた。
 急遽仕立てられた祭壇の上には、国王の代理である王太子アレクと、王女のミルファーがいる。
 その中央にある台座に恭しく置かれている魔石を、セシリアはじっくりと観察した。
 正方形だが、見た目はふつうの魔石と変わらない。光沢のある漆黒で、表面がすべすべとしている。
 ただ、これほどの大きさの魔石にしてはあまり力を感じない。石に込められている魔力が弱いのかもしれない。
(これなら、別に使っても問題ないのかも。むしろ弱すぎて、使っても使わなくてもあまり意味がないような?)
< 198 / 318 >

この作品をシェア

pagetop