最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 もはや脅しのような言葉に、アルヴィンの表情が悲しげに歪む。
「……ごめんなさい。でも、ふたりで力を合わせたら乗り切れるわ。わたしを信じて」
 そう必死に懇願する。
「そういえば、いざとなったら頼ると約束したな」
「うん。だから、わたしの手を握っていて」
「ああ」
 しっかりと手を握り合い、互いの魔力を出し合って結界を築いていく。
 無事に結界を張り終わったことを確認すると、セシリアは力が抜けてしまって立っていられず、アルヴィンにしがみついた。しばらく呼吸を整えてから、王太子と王女に向き直る。 
 少し予想外のハプニングはあったが、無事に王都の結界を張ったこと。これからもブランジーニ公爵家の忠誠は、シャテル王国と王家に捧げられること。それらを盛り込んだ、あらかじめ決められていた口上を述べて、アルヴィンに支えられるようにして、会場から退出した。
「……アルヴィン」
「頑張ったな。もう大丈夫だ」
 優しくそう言われて、力が抜けていく。倒れかかった身体を、彼がしっかりと支えてくれた。
「アルヴィンも疲れているのに、ごめんね」
「俺のことは気にするな。少し、休んだほうがいい」
「……うん」
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