最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 セシリアはララリを避けたりせずに、普通に接していこうと思っていることを、アルヴィンに伝えた。
 彼は複雑そうだったが、それはセシリアがララリと接するたびに体調を崩してしまったのが原因だろう。
 それを除けば、ララリは警戒するような存在ではないようだ。
「魔力も普通だし、悪意も感じない。ただの平凡な女、といった印象だった」
 セシリアも、彼女をゲームのヒロインとして見なければ同じだ。
 普通のクラスメートとして接する分には、問題ないだろう。それがふたりで出した結論だった。
 だが。
「セシリア様! おはようございます!」
 なぜか、ものすごく懐かれてしまった。
 笑顔で駆けよってくるララリを、セシリアは複雑な心境で迎えた。
 最初は、ただのクラスメートとして接しているつもりだった。
 でも公爵令嬢のセシリアと、庶民出身のララリは、互いに別の理由とはいえ、クラスの中では孤立している存在だった。
 しかもセシリアにはアルヴィンがいるが、ララリには誰もいない。
 周囲に馴染もうと必死になっていたり、ひとりでぼつんと座っている姿を見てしまうと、胸が痛む。
 そして、つい声をかけてしまうのだ。
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