最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
敵の正体は
(……ううん、違う気がする。セシリアは、悪役令嬢はヒロインに対する嫉妬と羨望から、魔族に魅入られてしまった。本当は、誰からも愛されるヒロインが羨ましかったから。でも王女殿下には、ヒロインに対する嫉妬も羨望もない……)
国王陛下も王妃陛下も、王太子であるアレクよりも王女のミルファーを頼りにしている様子だった。放っておかれているとはいえ、彼女の守護騎士も、王女を大切に思っていたはずだ。
両親にも兄にも愛されなかったセシリアとは違う。
ならば、魔族に魅入られてしまったのは誰なのか。
絶望と嫉妬、そして羨望に身を焦がし、破滅への道を歩き始めてしまったのは、いったい誰なのか。
「セシリア」
アルヴィンが小声で名前を呼び、誰かから守るように、その身体を腕の中に引き寄せる。
(アルヴィン?)
自らの思考に沈んでいたセシリアは、彼の突然の行動も驚くも、会議室の中から聞こえてきた暗く沈んだ声に、思わず息を呑んだ。
「力さえ……。もっと強い魔力さえあれば、ダニーを守れた。ユージンだって、魔力がなくてあんなにも苦しんでいる。もっと……。もっと強い魔力を……」
「!」
国王陛下も王妃陛下も、王太子であるアレクよりも王女のミルファーを頼りにしている様子だった。放っておかれているとはいえ、彼女の守護騎士も、王女を大切に思っていたはずだ。
両親にも兄にも愛されなかったセシリアとは違う。
ならば、魔族に魅入られてしまったのは誰なのか。
絶望と嫉妬、そして羨望に身を焦がし、破滅への道を歩き始めてしまったのは、いったい誰なのか。
「セシリア」
アルヴィンが小声で名前を呼び、誰かから守るように、その身体を腕の中に引き寄せる。
(アルヴィン?)
自らの思考に沈んでいたセシリアは、彼の突然の行動も驚くも、会議室の中から聞こえてきた暗く沈んだ声に、思わず息を呑んだ。
「力さえ……。もっと強い魔力さえあれば、ダニーを守れた。ユージンだって、魔力がなくてあんなにも苦しんでいる。もっと……。もっと強い魔力を……」
「!」