最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「アレク様は、毎日登校されているようです。でも以前とはまったく違う、冷たい顔をされるようになりました。……アルヴィン様の言っていたように、元のアレク様に戻るのは難しいのでしょうか」
 あの問答のあと、ララリの前で取り繕う必要がなくなったのか。
 それとも魔族の支配が強くなったのか。アレクは、ララリに以前のような優しさを見せなくなったようだ。
 不安そうなララリの手を、セシリアは励ますように握りしめる。
「あなたが信じないと駄目よ。アルヴィンは、少し人嫌いなところがあるから、言動がきついかもしれないけれど、あまり気にしないで」
 アルヴィンは相変わらず、セシリアの前でしか笑わない。セシリアの侍女やララリにも、自分から話しかけることはない。
 彼の過去を知ってしまった今、ひょっとしたらアレクやダニー、兄よりも、彼の他人に対する絶望は深いものかもしれないと思う。
 そんな彼が闇に落ちなかったのは、セシリアのお陰だと言ってくれた。
 愛にはたしかに、人を救う力がある。
 それをセシリアは知っている。
 だからララリにもこう言った。
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