最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 そう言って彼女が差し出したのは、セシリアに来た手紙と同じような内容だった。
 王太子アレクのことで、相談したいことと、手を貸してほしいことがある。そう書かれている。
 二通の手紙を手に、セシリアは深く考え込む。
(フィンがヒロインに頼るなんて、攻略ルートに入っていなければありえないことよ。それに、ララリさんが恋をしているのは彼じゃないわ)
 ゲームの知識ばかりに頼るのは危険かもしれないが、フィンのプライドの高さを考えると、公爵令嬢であるセシリアならともかく、わざわざララリにまで手紙を出して助けを求めるのは、ありえないことのように思える。
 それでもララリは、アレクのためなら何でもするだろう。フィンの申し出も、断るつもりはないようだ。それならできるだけ一緒に行動して、ララリを守らなくてはならない。
 そう思ったところで、思わず溜息をつきそうになってしまう。
(やっぱり、彼女はヒロインね……)
 無謀と思えるような行動をしても、周囲が勝手に彼女を守るように動いてしまう。セシリアもつい、彼女をフォローするように動いていた。
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