最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 アルヴィンを侮辱されて、思わず頬を叩いてしまったセシリアに対しても、普通の態度で接しているくらいだ。
「……そう。今回、君たちに来てもらったのは、その件に関してなんだ」
 フィンはそう言うと、手元に置いてあった一冊の本を広げた。視線を向けると、書かれているのはこの国の言葉ではないようだ。
(これはたしか……。エイオーダ王国の)
 シャテル王国から少し離れた、大陸のやや北側に属する大きな国だ。ゲームでは名前だけしか出てこない国だが、多くの魔道具がその国から輸入されていると言っていた。
 この国とは違い、王族や貴族は今でも強い魔力を持っている。だが、その数の減少に悩んでいると聞く。
 しかも国王夫妻にはまだ子供がいないらしい。
 それでも魔力が高い者が多いため、魔法の研究も進んでいて、この国にはない便利な魔道具がたくさんあった。
 これは、その魔道具の作り方の本のようだ。どんな内容なのかと、興味を持って覗き込む。
「魔を退ける魔道具……。本当に、そんなものがあるの?」
 そこにはかなり難解な魔法式が記されていて、セシリアでは理解することができなかった。
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