最強守護騎士の過保護が止まりません！～転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?～

　アルヴィンは持っていた荷物をちらりと見ると、嬉しそうに頷いた。セシリアの手料理を本当に楽しみにしている様子に、思わず笑みが浮かぶ。
　東屋でゆっくりと昼食を終えたあとは、のんびりと景色や水鳥を見て楽しみ、他愛もない話をする。
　魔法の議論をしてつい白熱したあとは、寄り添って甘い時間を過ごす。そして周囲が夕闇に包まれる頃、名残惜しい気持ちを抱えながらも、また手を繋いでふたりで学園の寮に戻った。
　最初は前世の記憶が強かったから、アルヴィンのことは弟のように思っていた。傷ついた幼い子供を守って上げなくてはと、そう思っていたのだ。
　でも、セシリアとしての人生が長くなるにつれ、彼に対する気持ちも少しずつ変化していた。
　今では誰よりもアルヴィンを頼りにしているし、抱いている感情は親愛ではなく、深い愛情となった。これからもセシリアとして生きていくのだから、彼に対する愛はますます強まっていくのだろう。
　上嶋蘭が消えてしまうわけではない。
　でも、今を生きているのはセシリアだ。