最強守護騎士の過保護が止まりません！～転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?～

過去と未来

「お父様は知っているの？」
「もちろん、先に報告している。学園に通う許可も得た」
「……そう」
　父のことだ。
　アルヴィンに魔力があると知っても、あまり反応しなかったと思われる。
　本当に母以外には興味のない人だ。
「ええと、それじゃあ春からもよろしくね」
「ああ。俺が必ず守ってやる。だから何も心配するな」
　王立魔法学園に入学するまでは、まだ二か月ほどある。でも、それまでにやらなければならないことは山積みだった。
　このシャテル王国では、良い家柄ほど魔法の教育には力を入れている。
　だから高位の貴族は、学園に入学する前にはほとんどのことは学び終えている者ばかりだと聞いていた。
　セシリアにも、十歳のときから家庭教師がついている。
　それなのに魔力が強すぎたせいで魔力制御がうまくできず、まだ基本的な魔法が身についていない。
　このままでは、ブランジーニ公爵家の名に泥を塗ってしまう。
　アルヴィンから贈られた腕輪で魔力が小さくなっている今こそ、魔力制御を身につけ、他の令嬢たちと同じレベルまで勉強を進めなくてはならない。