最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
(あと二か月。死に物狂いで頑張れば、何とかなりそうね)
 家庭教師の声をひと言も聞き漏らすまいと、授業に集中する。
 魔力が強すぎて目立っても面倒だが、低すぎても侮られて面倒なことになる。
 そこそこの魔力に、高い学力。
 それが理想だった。
 だから家庭教師が帰ったあとも、図書室で勉強を続けていた。
「あまり根を詰めすぎないようにしろ」
 魔法書を読むセシリアの傍に座ったアルヴィンが、少し心配そうに言った。
 今まで守護騎士として傍に付き従うだけだったアルヴィンも、魔法学園に入学するということで、セシリアと一緒に家庭教師から学ぶことになった。
 だがアルヴィンは、わずか二十日ほどで、学園卒業レベルまでの魔法を学び終えた。
 家庭教師が、もう教えることはないと言ったほどだ。今となっては、彼の教本はもう魔法研究者レベルになっていた。
 はっきり言って、魔法の才能が違いすぎる。
(何かもう、ここまで来るとチートって実在していたのねって、言いたくなるわ)
 高い魔力に騎士としてふさわしい剣技。さらに容姿まで完璧となれば、学園でもかなり目立つに違いない。
「アルヴィン、本当に大丈夫?」
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