最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「何がだ?」
 不安になって、思わずそう聞いていた。
「このままだとアルヴィンは、学園で知らない人はいないくらい目立つと思うの」
「まあ、この国の貴族ではないことはわかりきっているからな。そんな男が、ブランジーニ公爵令嬢の守護騎士として傍にいる。目立つのは仕方がない」
「あ……」
 言われてみれば、たしかに彼の言う通りだ。でもセシリアが心配しているのは、そのことではない。
「違うの。もちろんその意味でも目立つかもしれないけれど、それはあまり心配していないわ」
 このシャテル王国は他の国よりも貴族の数が少なく、結果として魔法を使える者が少ない。
 さらに、魔力を持つ者が減っているという事実がある。
 だからこの国の貴族ではないとはいえ、ここまで強い魔力を持つアルヴィンを侮る者などいないだろう。
 この国は平和で、国家間の戦争など、百年ほど起こっていない。
 だが、これからもないとは言い切れない。
 魔法の力はとても強いものだ。
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