最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「どんな人? どこに住んでいるの? その人も、魔力が馴染まないと言っていたの?」
「……百年ほど前に書かれたものだった。もう亡くなっている」
「あ……」
 同じ転生者に会えるかもしれない。
 そう思っていたのに、叶わない夢だったようだ。俯くセシリアを慰めるように、アルヴィンがその背に手を添える。
「彼もまた、強い魔力を持っていたようだ。だがそれを使いこなすことができずにいた。それがなぜなのかというと、彼曰く、魔法を信じられなかったそうだ」
「信じられない?」
「そうだ。彼が以前生きていた世界には、魔法というものがなかったらしい。その記憶があまりにも鮮明だったせいで、魔法という力を信用できなかった」
「魔法がない世界に生まれた……」
 それはセシリアも同じだった。
 ただ百年前と違い、マンガやゲームなどを通して、魔法は身近なものになっている。
(その人よりはマシだと思うけど、でも心の底では信じ切れていないのかな……)
 だからこそ、魔力がこの身に馴染んでいないのかもしれない。
「えっと、その人はずっと魔法を使えないままだったの?」
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