最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「休憩室に移動する。そこで少し休もう」
「……うん」
 素直に身を委ねて、目を閉じた。
「私も行きます。とても具合が悪そうで、心配ですから」
 明るく無邪気な声がしたが、アルヴィンはそれを無視して歩き出した。
「あ、待ってください」
「お前の手は必要ない」
 アルヴィンは冷たくそう言うと、大切そうにセシリアを腕に抱き、そのままホールを出た。
 ララリはアルヴィンの冷たい言葉と視線にびくりと身体を震わせ、その場に立ち尽くす。
 でも、きっとすぐに誰かが慰めてくれるだろう。
(わたしとは違って、彼女はヒロインだもの……)
 セシリアはララリのライバルキャラではなく、「悪役」だった。
 ヒロインのライバルは王女のミルファーであり、彼女とララリは違いに競い合い、協力し合いながら、成長していく。
 そのふたりを妨害するのが、「悪役」令嬢のセシリアだ。
 このゲームは、難易度が高いことで有名だった。
 とにかくセシリアの嫌がらせや妨害がひどくて、少しでも選択肢を間違えたら即座にバッドエンドになる。
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