最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「何だか最近、変な夢を見てしまって。それは予知夢というか、これから起こることのようなの」
「予知夢……」
「ええ。さっきアルヴィンに声を掛けてきたあの子も、わたしの夢に出てきたわ。夢の中のわたしはとても性格が悪くて、自分の婚約者がその子を好きになったからと言って、ひどい嫌がらせを……」
「婚約者?」
 立場の弱い下位貴族の令嬢に嫌がらせをしていたなんて言ったら、さすがに嫌われてしまうかもしれない。そう思っていたのに、アルヴィンが反応したのは婚約者という言葉だった。
「セシリアに婚約者がいるのか?」
「その夢の中では、いたわ」
「それは、誰だ?」
「王太子殿下よ。夢の中では、わたしは魔力を隠していなかったから、強い魔力を見込まれて王太子殿下の婚約者となったの」
 アルヴィンはそれを聞くと、目を伏せる。
「俺は……。その夢の中で、どうしていた?」
「アルヴィンはいなかったわ。その夢はきっと、アルヴィンと出逢わなかったわたしが辿っていた未来よ」
 自分が傍にいないと言われて、アルヴィンは切なそうに目を細める。
「その夢の結末は?」
「我ながら、自業自得としか言えない最期だったわ」
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