最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
「俺には、そのセシリアだけが悪いとは思えない」
 その言葉を聞いて、思う。
 きっと今のセシリアは大丈夫だ。何があっても道を踏み外すことはない。
(だって、こんなにもわたしを信じて、大切にしてくれるアルヴィンがいるもの)
 どんな目に合っても、この先にどんな困難が待っていたとしても、希望を失うことはないだろう。
「どうしてアルヴィンは、そこまでわたしを信じて、助けてくれるの?」
 気が付けば、先ほども思っていたことを口にしていた。
「何を言っている」
 アルヴィンはセシリアの金色の巻き毛に指を絡ませて、笑う。
「最初に俺を助けてくれたのは、セシリアだろう? 忘れてしまったのなら、何度でも言う。あのときからずっと、俺はお前のものだ」
 耳もとで囁くように言われてしまえば、さすがにセシリアも頬を染める。
「ありがとう……」
 そんなに綺麗に笑わないでほしい。セシリアは赤くなった頬を隠すようにして、俯いた。
「もう五日後には学園生活が始まるのね」
 何だか恥ずかしくなって、話題を変える。
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