甘く響くは君の声。
「でもあんな可愛い子をこっ酷く振ったそのオオイシ先輩って、あたし知ってるかも。てか、この学校の女子の殆どが知ってるかも」
「えっ!そんな有名人なの!?」
「有名も有名、この学校イチのイケメンって噂の先輩だよ。噂では街に出る度にモデルや俳優の大手事務所からスカウトされまくってるんだって!」
熱弁するあまり、翼ちゃんの鼻息がどんどん荒くなってく。
翼ちゃん、どうどう。
「そんだけのイケメンは、あんな可愛い子も平気で振っちゃうのねーーー」
なるほどー。と、納得していたら、
「おーい、小鳥遊ー!お客さーん」
いきなり名を呼ばれてビックリして声のした方に顔を向けると、教室のドアにとんでもないイケメンが立っていてこちらをジーッと見ていた。
女生徒は、きゃあっと黄色い声を上げる。
「あれ、大石先輩じゃない!?どうしてうちのクラスに!?」
「小鳥遊さんのこと呼んだっぽいよ!」
「えー、なになに!?どういう繋がりなんだろっ!?」
クラスメイトの殆どが私と大石先輩を交互に見ている。
…当のわたしは冷や汗ダラダラものだった。
絶対、告白の現場を野次馬した事怒られる…。