甘く響くは君の声。
「ゆらの、大丈夫?顔色真っ青…」
わたしの心情を察してくれたのか、翼ちゃんは他の女子のように騒がずわたしの心配をしてくれる。
「は、はは…っ、怒られに、行ってきますっ」
今朝の疲れもあってヨロヨロと机と机の間を縫うように歩いて、なんとか大石先輩のところまで来たけど、やっぱり恐ろしくて顔を見ることが出来ない。
こ、これはとっとと謝ってしまおう…!
「今朝は、すみませーー」
「これ」
「…え?」
謝ろうとガバッと頭を下げたわたしの視界に入ってきたのは、生徒手帳。
「落としただろ」
無言のままそっと受け取り、中身を確認すると確かにわたしのだった。
どうやら教科書ぶち撒けたとき、生徒手帳も落としてしまったみたいだ。
か、神かっ!この人はっ!!
「あ、ありがとうございますっ!助かりました!」
今度はお礼を言う為にガバッと頭を下げ、とっとと席に戻ろうとした。
ーーーそれなのに、