甘く響くは君の声。
ーーそれから、家に帰ってひと息ついてふとスマホに目をやると翼ちゃんから10件以上の着信履歴が残ってて慌てて連絡入れて。
どうやらあれから吾妻先生が翼ちゃんを捕まえて、わたしが居残りで日直の仕事やっていたことをチクチク言ったらしく、翼ちゃんは泣きながら何度も謝ってきたから先輩との出来事を話して「楽しかったから大丈夫」とフォローしたら今度はニヤニヤが止まらなくなったらしい翼ちゃんから根掘り葉掘り聞かれた。
でも、ふたりだけの時間ではあったけれど
特別な事はなにもしていない。
そう何度も言っているのになかなか信じてくれなかったけど。
この日の夜は何でだか気持ちがそわそわしてなかなか寝付けなかった。
ーーいま思えば、それは明日起こる事への前触れだったのかも知れない。