甘く響くは君の声。
「失礼しまーす」
職員室に入ると、先生達は慌ただしくしていて担任の先生を探すも見付からなくて。
翼ちゃんと「いないねぇ」なんて話していると私達に気付いた40代ぐらいの上品な出立(いでた)ちの女の先生が、
「あら、どうしたの?あなたたち新入生かしら?」
「は、はいっ。わたし達担任の吾妻(あずま)先生に用事があって来ました」
緊張気味に話すと、
「ふふっ、そんなに緊張しないで?吾妻先生なら…」
「お?高杉小鳥遊のツートップペアじゃねぇか」
「わぁっ!」
急に真後ろから声がしたから思わず声を上げてしまった。
「び、ビックリしたぁ」
「先生っ!わたしっ、先生に聞きたい事がっ、」
引き気味の翼ちゃんと押し気味のわたしを交互に見やると、先生は何を考えたのか「あーはいはい」とひとり納得しながら
「喜べお前らっ!いま俺にカノジョはいねぇ!!」
「「…は?」」
「…ん?ふたりして俺に告りに来たんじゃねぇの?」
「「違いますっ!!」」