甘く響くは君の声。


「失礼しまーす」

職員室に入ると、先生達は慌ただしくしていて担任の先生を探すも見付からなくて。

翼ちゃんと「いないねぇ」なんて話していると私達に気付いた40代ぐらいの上品な出立(いでた)ちの女の先生が、

「あら、どうしたの?あなたたち新入生かしら?」

「は、はいっ。わたし達担任の吾妻(あずま)先生に用事があって来ました」

緊張気味に話すと、

「ふふっ、そんなに緊張しないで?吾妻先生なら…」

「お?高杉小鳥遊のツートップペアじゃねぇか」

「わぁっ!」

急に真後ろから声がしたから思わず声を上げてしまった。

「び、ビックリしたぁ」

「先生っ!わたしっ、先生に聞きたい事がっ、」

引き気味の翼ちゃんと押し気味のわたしを交互に見やると、先生は何を考えたのか「あーはいはい」とひとり納得しながら

「喜べお前らっ!いま俺にカノジョはいねぇ!!」

「「…は?」」

「…ん?ふたりして俺に告りに来たんじゃねぇの?」

「「違いますっ!!」」
< 4 / 42 >

この作品をシェア

pagetop