甘く響くは君の声。
はぁぁぁ。
学校を後にしてから何回目か分からない大きな溜め息を吐(つ)く。
「どんまいっ!金髪の君のことはこれで吹っ切って新しい恋でもしなよ」
「…そんな簡単に吹っ切れないよっ」
「なぁんで。今日少しでも『あの人いいかも』って思った人とかいないの?」
そう言われて思わず職員室で目が合ったイケメンを思い出してしまった。
「…」
「あれ?その反応…、もしやいたなっ!?」
「えっ、いや、別にっ」
「誤魔化しても無駄よっ!アンタと何年一緒にいると思ってんの」
慌てて否定するも時既に遅しで、強引に白状されられる状況にまで追い込まれてしまい
私は渋々ながら職員室で目が合ったイケメンが頭から離れない事を正直に話した。
「ふぅん。そんなイケメンが職員室にいたんだ。同級生かなぁ?」
「上級生っぽかったけど…、わかんない」
「てか、ゆらのってメンクイだったのね」
翼ちゃんの言葉に思わずギョッとして、
「そ、そういうわけじゃっ…!」
慌てて否定するも翼ちゃんは「わかってるよ」と、さも言いたげにクスクスと可笑しそうに笑っている。