愛しの彼に溺愛~ジムトレーナーの場合~
冷や汗がドバドバと流れてくる。
どうしよう…!


「…」
「…」


無言が逆に辛い!
せめて何か言って!?

凄く怖いよ!!


「…はぁ」


東條さんの溜め息に肩がビクっと動く。


「んじゃ優しい僕じゃなくて俺様でいいわけだなァ?」
「っへ?」
「全部見てたんだろォ?」
「ぜ、全部って…?」
「美蘭といるところ」


やっぱりバレてた!?
これはもう素直に話した方がいいよね…。

はぁ…。


「…はい」
「やっぱりな」
「あ、でもお二人のこと言うつもりはないので!そこは安心してください!」
「は?」
「スキャンダルですもんね!私口は堅いですよ!」


まぁ告げ口する友達とかがいないってだけなんだけどね。
そう思いながら自信満々に告げる私。そんな私を見ながら再度大きな溜め息を吐く。


「はぁ…。すげぇ勘違いしてるみてぇだけどな?」
「え?」

「俺は美蘭と付き合ってねぇよ」
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