僕惚れ②『温泉へ行こう!』
本編
日曜の朝。
外は、この辺では滅多にないほどの大雪に見舞われていた。雪慣れしていない地域だから、外出するのは難しそうだな、と思う。
現にさっきから通りにはほとんど人影も車も見えていなくて。
窓の外が明るすぎるぐらい白々と輝いて見えるのは、日頃くすんだ色をしているところが、純白に覆われているからかな。
ひんやりとした窓に向かってほぉっと小さく溜め息をつくと、ガラスが吐息で曇って、外が霞んで見えなくなった。
と、不意に背後でオーブントースターがチンと高く音を鳴らして、私は弾かれたようにくるりと踵を返す。
トースターから、焼き上がったばかりの石窯パンのスライスを取り出してお皿に移すと、バターと、先日作ったばかりの苺ジャムを添える。
一緒に暮らし始めた時、理人と二人で選んだペアのマグカップに、コーヒーメーカーが落としてくれたブレンド珈琲を注ぎ入れると、珈琲の芳しい香りがふわりと漂った。豆は、理人好みのものを近所の喫茶店で量り売りしてもらっている。
朝食はこれでいいかな?
お昼はどうしよう?
外は、この辺では滅多にないほどの大雪に見舞われていた。雪慣れしていない地域だから、外出するのは難しそうだな、と思う。
現にさっきから通りにはほとんど人影も車も見えていなくて。
窓の外が明るすぎるぐらい白々と輝いて見えるのは、日頃くすんだ色をしているところが、純白に覆われているからかな。
ひんやりとした窓に向かってほぉっと小さく溜め息をつくと、ガラスが吐息で曇って、外が霞んで見えなくなった。
と、不意に背後でオーブントースターがチンと高く音を鳴らして、私は弾かれたようにくるりと踵を返す。
トースターから、焼き上がったばかりの石窯パンのスライスを取り出してお皿に移すと、バターと、先日作ったばかりの苺ジャムを添える。
一緒に暮らし始めた時、理人と二人で選んだペアのマグカップに、コーヒーメーカーが落としてくれたブレンド珈琲を注ぎ入れると、珈琲の芳しい香りがふわりと漂った。豆は、理人好みのものを近所の喫茶店で量り売りしてもらっている。
朝食はこれでいいかな?
お昼はどうしよう?