僕惚れ②『温泉へ行こう!』
***


 コンビニでおにぎりとお茶を買って、コインランドリーの駐車場に戻ってくる。

 コンビニの駐車場は車や人の出入りが多かったけれど、コインランドリーのほうは私たちの車しか停まっていなかった。

 エアコンを利かせた車内で理人(りひと)と一緒に軽めのランチをとる。

 自分でも笑ってしまうくらい、理人と一緒だと何をしていても幸せだなって思えてしまう。

 学生時代、自分の気持ちが分からなくて……理人の直向(ひたむき)すぎる愛情表現が怖くて逃げ回っていたことがあったけど、今思うと何だかもったいなかったな、と思えてしまったほどに。

 おにぎりを食べながら思わずクスッと笑ったら、理人が不思議そうに見つめてきた。

「なんかね、理人とこうしていられるの、幸せだなぁって思って」

 私の言葉の真意が理解できたのかどうか。

 理人がおにぎりを手にしたまま私のほうへ顔を傾けてきた。

 そのまま私のほっぺに軽くキスを落とすと、「続きは旅館で」と、耳元で囁いた。
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