僕惚れ②『温泉へ行こう!』
理人の喉が、唾を飲み込んで上下したのが分かった。
「……キミは学生だし、勿論今すぐってわけじゃなくて……その……ゆくゆくはって感じで考えてくれたんでいいんだけど……。でも……いつか。そう遠くない未来に……その……ぼ、僕の……お嫁さんになってもらえますか?」
いつもはしっかり者で何でもそつなく熟す理人が、緊張のためかしどろもどろになる様が本当に愛しくて……。
それと同時に私自身、まさか彼がそこまで考えてくれていたなんて思わなくて、驚きと嬉しさで感極まってしまう。それで、知らず瞳に涙が盛り上がった。
「えっ、ちょっ、葵咲!?」
突然の私の涙に、理人がオロオロと戸惑いながら立ち上がった。そうしてテーブル越しに、私の目元を震える手で優しく拭ってくれる。冷んやりとした彼の手が、上気した頬に心地好くて――。
「……お願い……します」
私は、震える声で何とかそれだけ言うのがやっとだった。
「ホントに!? ヤッターッ!!」
途端、その言葉を聞いた理人がいきなり仁王立ちで天を仰ぐようにガッツポーズをして――。その余りに激しい動きと声に、私は驚いて彼を見上げた。
「り、理人っ」
拳を振り上げて立ち上がったままの理人に、徐々に周りからの視線が集まる。その気配に我に返った私は、小さな声で彼を嗜める。
幼い時分からそうだったけれど、彼は時折周りが見えなくなる。
それでも、理人がこんな風に暴走するのを見たのは本当に久しぶりで。
「……キミは学生だし、勿論今すぐってわけじゃなくて……その……ゆくゆくはって感じで考えてくれたんでいいんだけど……。でも……いつか。そう遠くない未来に……その……ぼ、僕の……お嫁さんになってもらえますか?」
いつもはしっかり者で何でもそつなく熟す理人が、緊張のためかしどろもどろになる様が本当に愛しくて……。
それと同時に私自身、まさか彼がそこまで考えてくれていたなんて思わなくて、驚きと嬉しさで感極まってしまう。それで、知らず瞳に涙が盛り上がった。
「えっ、ちょっ、葵咲!?」
突然の私の涙に、理人がオロオロと戸惑いながら立ち上がった。そうしてテーブル越しに、私の目元を震える手で優しく拭ってくれる。冷んやりとした彼の手が、上気した頬に心地好くて――。
「……お願い……します」
私は、震える声で何とかそれだけ言うのがやっとだった。
「ホントに!? ヤッターッ!!」
途端、その言葉を聞いた理人がいきなり仁王立ちで天を仰ぐようにガッツポーズをして――。その余りに激しい動きと声に、私は驚いて彼を見上げた。
「り、理人っ」
拳を振り上げて立ち上がったままの理人に、徐々に周りからの視線が集まる。その気配に我に返った私は、小さな声で彼を嗜める。
幼い時分からそうだったけれど、彼は時折周りが見えなくなる。
それでも、理人がこんな風に暴走するのを見たのは本当に久しぶりで。