君とベビードール
もう…、あたしを何度死なせれば、気が済むのでしょうか、先生は。
「…ところで、君。今日は、バレンタインだよ?」
首を傾げて、あたしを見つめる、先生。
これは…もしかして催促、されているのでしょうか…?
「…知ってますよ。先生、8個も貰ったじゃないですか。」
もう少しだけ、むくれていても、いい?
「まぁ、確かに貰ったけどね?」
僕が一番、欲しいと思っている子からは、貰ってないよ?
優しくも、イジワルにも見える笑顔が、少しずつ、あたしの顔に近付いてくる。