君とベビードール



「…どうぞ。」



クッキーの包みを、押しつけるように渡せば、



「これは、これは。もしかしてバレンタインかい?嬉しいなぁ。」




なんて、わざとらしく言って、包みを受け取った先生。




「開けても、いいかい?」



あたしをのぞき込んだ。




「チョコレートには、負けると思いますけどね。」



照れ隠しもあって、呟いたあたしを、目を細めて眺める先生。




「ありがとう。」




微笑んで、包みを開けた。
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