君とベビードール




「……。」




しばらく、会話がないまま、時間が流れた。




先生は元からあんまり話す方じゃないし、あたしもどちらかと言うと、おとなしい方で、



今まで一緒に居た人とは、こんな風に会話がないと、



「何か話さなきゃ!!」って、焦っていたけれど、不思議と先生と一緒に居て、会話がなくなっても、沈黙が痛いなんてことはなくって、むしろ暖かくて優しい。




こんな時間も愛おしい。




「―きゃっ…!?」




突然、先生が膝の上のあたしを、くるっと自分の方へ向けた。




「先生っ!!」
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