君とベビードール
先生の顔が、あたしの顔に着きそうなほど接近して、思わず顔が真っ赤になる。
そんなあたしをみた先生は、いつものようにふっ。って笑った。
「本当に君は素直だねぇ。」
あたしを覗き込んだ。
先生の長めの前髪の隙間から、いたずらっ子の瞳が覗いている。
あぁ、もう…。
恥ずかしいやら嬉しいやら、しあわせな気持ちが入り混ざって、先生の膝から逃げだそうとしたあたし。
「だーめ…。」
あたしの耳元で吐息混じりに呟く先生。
「――…!!」
一瞬、動きが止まったあたしを、素早くまた、捕まえた。