君とベビードール
7.
たとえば、准さんと一緒にバスに乗っていて、急ブレーキがかけられて、
狭く混んでいる車内で、あたしの体が傾いたときに、あたしの体を包んで支えてくれる、准さん。
軽く、運転席を睨んで
「紅湖がケガしたらどうするんだ。」
呟いた准さん。
いつまで経っても、女の子扱いに慣れないあたし。
でも、あたしを包む准さんの腕の中に居られるなんて、
そうして、公衆の面前で抱き締めてくれる准さんに、
優しさも安らぎも感じる、あたし。