君とベビードール
「怒んないの?」
伺うようにあたしを見つめる及川くん。
「…なんか、あんまり実感がわかなくて。」
「…だよなー。なんか俺、色々負けてるわー。」
はぁ。大きなため息を吐いた。
「及川…くん?」
「俺さー、高校ん時、好きだったんだよ。清水のこと。」
突然の告白は、頭の中で熱を持って響いた。
「昨日、偶然再会してさ、あー運命かもって思った。でもさーやっぱ俺、清水には幸せになってもらいたいんだよ。残念ながら、相手は俺じゃないわ。」
また1つ、ため息を吐いて。