君とベビードール



ほら、早く早く。



追い立てるように、あたしを玄関まで送ってくれる及川くん。



靴を履くあたしの背中に、



「そうだ。罪滅ぼしってか、キスのお礼ってか、良いことを教えてやるよ。」


玄関横の壁に手を突いて、



「俺さー、高校ん時本当に清水が好きでさー、清水ばっかり見てたから、清水が誰を想ってるのか分かっちゃって。んで、清水がそいつと交換ノートのやり取りをしてるのも知ってたんだよ。」



そこで、一息ついた及川くん。



びっくりして、言葉を無くすあたし。
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