君とベビードール
いつまでも止まない雨の中、とぼとぼと歩く。
見上げれば、藍色の傘。
あたしと准さんの、大切な色。
どうしよう、どうすればいいの。
及川くんの大きな傘でも、風に叩きつけられた雨が容赦なく、あたしの肩を濡らしていく…。
知らず知らず歩いていたのは、自分のアパート。
取りあえず着替えをして、暖かいお茶を飲もう。
准さんがいつもあたしに、
『落ち着きなさい。』
言いながらいれてくれるお茶を。